Publish On: Oct 4 2017
9日目の9月7日、朝早くすっきり目覚めて寒いので顔は洗わず(3日目突入)白い息を吐きながら外に出て驚きました。
なんて、なんて美しいんだろう!!全てが生き生きと輝いて生命力に溢れていて、だけど静謐で平和で、まるでおとぎ話の世界なのです。昨晩は真っ暗だったので全く気づかなかったのですが、こんなに美しい世界があったなんて…。感動で胸がいっぱいになりました。
初めてナガルコットからヒマラヤ山脈と雲海をを見たときは「天国みたい…。」と思いましたが、ここは楽園、極楽のようです…。(色が鮮やかなイメージ☆)
しばらく息を飲んで湖の光景に見とれていました。湖の色….。こんなに透きとおった湖の水は初めて見ました。透明から瑞々しいエメラルドグリーン、アクアブルーからターコイズブルー、そして海の色へのグラデーション、まるで地球の色です。空を映す鏡のようです。風が吹くと優しい漣が湖面に現れます。同じ平和という基盤の上に全てが調和して息づいているように感じました。
全てが美しく優しく輝きながら生きているのです。
「メチャくんたちが住んでいる湖畔の村を見つけた…。」そう思った瞬間でした。
そんな景色に見とれていると、山羊飼いの女性に出会いました。にっこりと微笑みあって二人で片言のネパール語で静かに話ししました。「ムグのララ湖はすごくきれいね。」「山羊は素敵だね。」何度も同じ会話をして何度も一緒に山羊を数えて、豊かな長い髪も見せてくれました。
写真では表現しきれないのですが…。
山羊飼いの女性と。
山羊はご飯中です。
数の数え方を教えてくれました。
空を映す鏡のようです。
すごく透明な水に大小のお魚がたくさん泳いでいました。
おとぎ話の世界のようです。
生き生きとした水草。
水は少し冷たかったけどズボンをまくって入ってみると気持ちいい!
緑の建物がロッジです。
泊り客は私たちだけでした。
ロッジの前の道。
ロッジの敷地内に野生の山羊たちが。
朝の感動を胸に抱いたまま朝食をとり、湖の周りを散歩することにしました。湖の周りにずっと遊歩道があるのです。
ロッジのキッチン。朝食は外でいただきます。
かまど。
羊毛を紡いでいる男性。
慣れた手つきで紡いでゆきます。
さあ、散策に出発!
舗装されていない平坦な道が続きます。
標高3000mでも、こういう道は楽に歩けます。
途中、野生の牛の群れに遭遇しました。
穏やかで美しい牛たちです。
こんなに近づいても全く慌てる様子もありません。
はむはむ。
もぐもぐ。
またしばらく行くと野生の馬の群れにも遭遇。
やっぱり落ち着いています。
すごく大きなクルミの樹。
森の方から小さな美しい小川が湖に向かって流れてきていました。
妖精がいそう…。
とても美しい透きとおった水と優しい水音。
小さくて可愛いヒンズー寺院。コロボックルが住んでいそう…。
途中であった楽師の人たち。
太鼓を叩きながら歌って踊ってくれました。
お礼に抹茶チョコレートをあげるととても喜んでくれました。
しばらく遊んでロッジに戻っている途中、晴れているのにささやかに雨が降り始めました。
そして大きな菩提樹の下で雨宿りをしていると…。
大きな大きな、今まで見た中で一番大きいと感じる虹を見ました。
そして生まれて初めて虹のはじまりを見たのです。
虹はララ湖からはじまっていました。虹の終わりかもしれませんが。
あまりの美しさに言葉もありませんでした。一緒にいた友人シャムがつぶやきました。
「虹の終わりを初めて見たよ。僕の子供の頃からの夢はララ湖に来ることと、虹の終わりをみる ことだったんだよ。今そのララ湖で虹の終わりを見ているよ。夢が両方いっぺんに叶ったよ!みるディディ!(ディディというのは、お姉ちゃんという意味です。」
写真では分かりづらいのですが二重の虹になったんです。
そんな感動的な1日を過ごし、自分の人生の中でこんなに素晴らしい体験ができるなんて夢にも思っていなかったので、本当に人生ってわからないものだなぁとまた改めてしみじみと「一歩の勇気」の大切さを感じていました。
そして、なぜかララ湖にいる間、全くお腹が空かず、普段からあまり食べない方ですが、本当にほとんど何も食べない日が続き、友人たちに「お願いだから何か食べて。」とお願いされるほどでしたが、興奮のためか、空気は薄いけれど新鮮で栄養たっぷりなのか分からないのですが3日ほど、ほとんど食べなくてもずっと元気いっぱいでした。
そして、昨晩はくたびれていたのですぐに眠ってしまい、ここはネットも電話も繋がらないことに今日気づきました。私は日本ではソフトバンクのSIMカードを使っていますが、ネパールではNcellのSIMに変えます。ネパールテレコムでしたらなんとか2Gでつながるようですが(それでも不安定)Ncellはつながりません。
そういえば、一昨日の夜、いつもは海外旅行保険の証書を机の上に出していくのだけれど今回は引き出しに入れたままにしていたことを思い出し、夫の修一郎にメッセージして証書の場所を説明ししてから連絡を取っていない…。「国内線に乗るよ。」と最後のメッセージで書いたぞ…。こ、これはすごく心配しているかもしれない!!と慌てたのですが、電話もネットも繋がらない。
幸いチャンドラがネパールテレコムのSIMカードも持っていたので、彼の携帯を借り、カトマンズにいるクリシュナさんに電話をして(日本語大丈夫なので)修一郎に「無事だよメール」を送って欲しいとお願いしました。
はぁ…。よかった。
そんなこんなで朝晩はやっぱりとても寒いのでまた顔も洗わず、ベッドに潜り込んだのでした☆
「あぁ、近くで数匹の狐のような声がする…。」
さあ、明日は標高3700mのトップまで登って山の上からララ湖の全体を見るぞ!!
つづく。
「ネパール滞在日記」の連載中「メチャくんの今日の言葉」はツイッターに投稿しています。