さかいみる のネパール滞在日記Vol.22*最後の日*

Publish On: Oct 28 2017

20日目の9月18日、ナガルコットを出発して一旦バクタプルのゲストハウスに戻ってから今度はカトマンズへ行きました。カオスな道を走りながら、向かうのはホテルVAJRA。

VAJRAに到着すると、そこはまるでカトマンズじゃないみたい!に静かな場所でした。お庭にはたくさんの木々!大きなザボンのような果物がぶらぶら下がった木や、小鳥たち。建物もまるでバクタプルの建築のように美しい彫刻が施されていて、中に入ってみるとクラシックな(いい意味で)落ち着いた建物内。
「わぁ素敵…。」と見とれていたのですが、建物が複数に分かれていて、中庭もアーチもいくつかあって一体どこでケダーさんが待ってくれているのかさっぱり分からず、うろうろしながら、そうだ電話してみよう!と電話を取り出すと、こんな時にまさかのチャージ切れ…。
ネパールの携帯電話はプリベイトカード方式なのです。お店で50ルピーとか、100ルピーとかのカードが売っていてそれを購入します。そして銀色の部分をゴシゴシ削ってでてきた番号を打ち込むと通話できるという仕組み。

というわけで、ロビーらしきカウンターにいるおじさんに助けを求めました。「助けて助けて手伝って!」と。すると、「なんだ、なんだ、どうしたんだ。」と、カウンターにいる人たちがみんな集まってきて助けようとしてくれます。ネパールの人たちは本当に親切なのです。

なんとか事情を説明すると、一人のおじさんがケダーさんに電話をしてくれて一安心。みんなでおしゃべりしながら彼を待ちました。そして、無事にやってきて中庭で話すことにしました。

巨大な蚊はいるけれど綺麗な中庭のテーブルに着くとケダーさんがコーヒーを運んできてくれました。「ありがとう。」と言って一口ごくり。超絶甘☆
生まれてから飲んだコーヒーの中で一番甘い…。これ全部飲み干せるかな…。せっかく満面の笑みでちょっと揺れてこぼしながら持ってきてくれたもんな…。飲まなきゃ…。と、ちょっぴりプレッシャーを感じながら話を始めました。

ケダーさんはチルドレンシアターモールの創設者で舞台俳優でもあり、子供のための物語も書きます。そしてディパーソンとエリナの友人です。彼の師はなんと今年90歳になる童話作家でその人はネパールの子供達のためにすごい数の物語を書いてきたそうです。平均年齢が60歳くらいといわれているネパールで90歳の男性というのはすごいことなのです。シアターに来る子供たちの大半は裕福ではない家の子供達です。そしてディパーソンをはじめとしてシアターの人たちが孤児院の子供達やストリートチルドレンにもメチャくん絵本を配ってくれています。


ケダーさんの90歳の師です。


孤児院の子供達です。

巨大な蚊に噛まれたり、激甘コーヒーをちびちび飲みながら、いつも時間に正確な(ネパールでは珍しい)ディパーソンが来なかったのがちょっと気になりながら、話は続きました。2時間くらい話した後、仕事が終わったチャンドラが迎えにきてくれました。

バクタプルに帰る途中、とびきり美味しいモモを食べようということで、本当にびっくりするほど美味しい野菜スープモモをいただきました。
「おいしいね、おいしいね、このスープ最高だね。」
「旅行は冒険だったね。」
なんて、なんでもない会話をしながら、どこかで
「あぁ、今日がネパール最後の夜なんだなぁ…。今回もいろんなことがあったな…。」と、ぼんやり考えていました。

前々回来た時、やっぱり帰国する前にちょっとしんみりしていると、
「ディディどうしたの?」と聞かれ、
「ん?ちょっとさみしくなって。」と答えると、
「でも今は楽しいんでしょう。」
「うん。」
「じゃあ、今は一緒に楽しもうよ!そして明後日一緒にさみしくなろう。」
と、言ってくれたことを思い出し、しゃんと背筋を伸ばしていまこの瞬間を楽しむことにしました。この素晴らしくおいしいスープモモを全力で味わうのだ!

それでもネパールの友人たちはまだ到着して2日目とかでも真剣に「次いつ来るの?」と聞いてきます☆
「まだ分からないよ、まだネパールいるのに☆着いたばっかなのに☆」と思わず笑ってしまいます。

そしてバクタプルの広場で熱いミルクティーを飲みました。少しぼんやりした月を見ながらキャロルの言葉を思い出していました。それは前回のこと。
「月を見ていると不思議な気持ちになるの。日本で見てる月もネパールで見る月もおんなじだって思うととっても不思議に感じる。」と言うと、キャロルが、
「月もあなたを見てるよ。」とさらりと言ったのです。
なんてロマンティックな人なんだろうと、心底驚きました。
でも、そう考えるととてもうれしい気持ちになります。私たちが月を見ているとき、月も私たちを見てくれている。とても素敵だな。なんだか月が親しい馴染み深い友達のように感じるな。と。

ゲストハウスに戻り、明日のフライトがお昼頃なのでバクタプルの友人たちは朝見送りに来てくれるということなので、カトマンズの友人たちに「いろいろありがとうメッセージ」を送りました。

そしてディパーソンに「今日ケダーさんに会ったよ、ディパーソン来ると思ってたよ。」と、言うと、「誰も場所と時間を教えてくれなかった…。」と。「エェッ!!」そうなのです。私はてっきりケダーさんとディパーソンが話して場所と時間を決めたと思っていて、ケダーさんは私がディパーソンに伝えたと思っていたのです。
ものすごく彼も私も残念な気持ちになり、数日前あっさり別れたことをちょっと後悔したり、彼は最後に「さよなら、また会おうね。」という日本語まで練習していたらしく、ますますしょんぼりなったのですが、なんとかお互い気持ちを持ち直して明るく「またね」と言いあいました。

それからベッドに潜り込んで、すごくさみしいけど、やっぱり家に帰るのもうれしい。帰るところがあるのっていいなと思いながらネパールで最後の眠りの国に入っていったのでした。

つづく。

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