Publish On: Oct 5 2017
10日目の9月8日、この日は標高3,700mの山のてっぺんからララ湖を見よう!という計画を立てていました。標高3,700m…富士山の標高が3,776m。ほぼ富士山のてっぺんくらいまで登るんだ。ドキドキ。でも、この山のことをネパールの人たちは「丘」と呼びます。なんと、ネパールでは標高5,000mからが「山」なのだそうです。富士山は丘なのです。
そしてまたチャンドラが「みる 、呼吸が苦しくなったらすぐ言って…。」と、ポケットに手を突っ込んだので、「ニンニクはいらない…。」と、首をふりました。
みんなが「でも本当にしんどくなったらすぐロッジに引き返そうね。」と言ってくれたので、それには素直にうなずきました。
水筒に沸かして濾過したお水と、シャクナゲジュースの原液を持って出発しました。ネパールの国花はシャクナゲです。そしてシャクナゲジュースなるものがありまして、カルピスのように薄めて飲みます。紅色の美しく甘いジュースです。甘すぎてお花の味がするかどうかいまいち分かりませんでしたが。
急な登り道はやっぱりはぁはぁ呼吸が荒くなるけれど、休み休み登ってゆきました。毎日3〜5時間歩いていますが筋肉痛にもならず体調もよく、友人たちからは「たくましくてびっくりだ。」と、何度も言われました。私も自分でびっくりしました。「私、たくましいなぁ…。」
最後のチョコレートも少しずつ分けて食べ、リンゴもなくなり、ジュースもなくなりましたが、見晴らしの良い場所で休憩しているとウキウキしてきてみんなで踊ったりしながら進んでゆきました。
毎日すくすく育っているラビンドラ(41歳男性)のお腹を見ながらムーミンを思い出し、「ムーミンって知ってる?」と聞くと、「知ってるよ。太った男だろ。」…太った男…。大きく括ると間違ってはいない。ムーミンは痩せていないし女の子でもない。でも、なんか腑に落ちない。などと思いながらこつこつ登り続けました。
もくもく。
もくもく。
もくもく。
ずいぶん登ったぞ♪
こんなに高い場所にも可愛らしい色とりどりの花が生き生きと咲いていました。
急傾斜。
サウンドオブミュージックみたいだ。
ララ湖が見えてきた!
友達になった木の枝と一緒に見とれている…。
もうすぐてっぺんだ!
てっぺん!
空のかけらが地球に落っこちたみたい…。
地球と空は仲良しなんだと感じる。
足元には色とりどりの可愛らしい元気な花がびっしり咲いているんです。
しばらくそれぞれの場所でゆっくりとひとりの時間を楽しみました。
ゴロンと寝そべって「何もしない」を楽しみました♪
不思議な植物。
そうやってそれぞれじゅうぶん楽しんだ後、ロッジに戻ることにしました。途中桃の木がたくさんあったのでまだ少し青い桃をちぎりながら帰りました。リンゴもチョコレートも全部なくなったので明日歩くときに食べるためです。
こんなに小さいんです。背の高いシャムがちぎり、私が下で受けています。
一本の木が二本になってる。
そうやって楽しく3時間くらい歩いてロッジに帰り着きました。熱い紅茶を飲んで、さぁ夕飯まで少し部屋で休憩しようというときに、ラビンドラが鍵を無くしていることに気がつきました。私はひとり別の部屋なのですが、男性3人は同じ部屋。(ここで少し説明しよう☆ネパールではまだまだ女性が友達どうしで旅行に行くというのは難しいのです。当初、クリシュナさんとウルちゃんご夫婦と絵本を配った後ララ湖へ行こうと計画していたのですが、赤ちゃんが生まれたので、今回は弟のような友人たちと数人で行くことになりました。)
「ロッジにスペアキーがあるんじゃないの?」ということで、ロッジの人に事情を説明。すると、100個くらい鍵のついたホルダーをジャラジャラと持ってきてくれました。部屋は3つしかないのに一体どこの鍵なのだろう…。と思いつつ、ラビンドラがひとつずつ鍵を合わせてゆきます。途中でくたびれ、チャンドラに交代して薄暗い中、鍵を合わせてゆきます。が、こんなに鍵があるのにひとつも合わず!一体この鍵なんの鍵なんだ…。そこで今度はシャムがヘアピンで鍵を開けようと試みます。「前に家の鍵をなくしたときにこれで開いたんだ。」って、ルパンか…。どういう鍵かと言いますと、シンプルな南京錠なのです。
でも鍵は開かず、仕方がないのでドアの方についている鍵を壊すことに。どうもドライバーがないらしく、ロッジの人の手には斧…。ドアが壊れるよ…。と思いながら、チャンドラが音楽をかけ始めたので、薄暗い中バルコニーのようなところで私はひとりで踊っていました。するとスタッフの人たちが集まってきて見ているので止めれなくなりひたすら踊り続けました。ちょうど美しい丸い月が出て湖面を照らし幻想的でうっとりしていました。
鍵を開けようと頑張っている時も、誰もイライラしたりせず、和気あいあいと頑張っていました。斧を片手におじさんもニコニコしながら踊りにちょっと加わったりしながら。
そしてついに!鍵が開いた(壊した)のです!どうしたかというと、トイレの窓がはめ込み式だったのですが隙間がいっぱいなので外すことができ、そこから一番細いシャムが中に入り(ラビンドラだったらお腹がつっかえて、はちみつ食べ過ぎたプーさん状態になると予測)どうやったのか、シャムが中から、チャンドラが外からの共同作業で無事(?)鍵を壊したのです。今日は鍵なしで寝るんだな…。
その日の夕食のとき、ラビンドラが「今日は大きなミスをしちゃったよ…。」とうつむき加減で言っていたのですが、みんな「え、何が?」という返事。今までもそうだったのですが、何か起こったとき誰も誰かを責めたり怒ったりしないのです。ずっとそのことを話したり反省会のようなものもありません。
私はなんだかとても安心した気持ちになりました。そして今日もラビンドラの食べっぷりに見とれながらキュウリをかじったのでした☆
予定よりスムーズに飛行機の移動ができたため、カトマンズに戻る日までに少し余裕ができました。なので明日は、ララ湖から歩いてタルチャ空港まで戻り、飛行機が飛ぶのならその後ネパールガンジへ行きバルディア国立公園のジャングルに行こうということになりました。
ジャングル…大好きだ。
つづく。
「ネパール滞在日記」の連載中「メチャくんの今日の言葉」はツイッターに投稿しています。