Publish On: Nov 2 2017
9月19日、3週間のネパール滞在もあっという間に過ぎて今こうしてトリブバン空港の椅子に座っているのがなんか不思議だなぁ、本当にこの3週間は現実だったのかなぁ、なんて考えながらチョコレートをかじっていました。
空港の職員さん、タイエアラインの職員さんたちはすごく親切で愛嬌たっぷりです。
ずっと案内してくれたり、待ってる間に一緒にチヤを飲んだりしてくれます。(仕事大丈夫?)
そして荷物検査の時に間違って男性専用の列に並んでいて、オロオロしていると、初めて飛行機に乗るネパール人の女の子がぐいぐい私に色々教えてくれてなんて親切なんだろうと感動していました。私は4回目でまだ緊張しているのに、この女の子は若いけどなんか肝っ玉かあさんみたいに堂々としてるなぁ…。と感心したりしながら。
そして毎回、搭乗ゲートへの待合室に入るタイミングがわからず、ぼんやり椅子に座っていると、職員さんが「おいでおいで」をしてくれて、無事にちゃんとゲートの待合室に入れるのです。みんなのおかげで無事に行ったり来たりできてるんだなぁ…ありがたいなぁ…世界にはこんなに優しい人たちがたくさんいるのに、どうして世の中から悲しいことがなくならないんだろう、といつも思います。
そして搭乗を待っているとき、見知らぬネパール人の女性が隣に座って何やらすごい勢いで満面の笑みで話しかけてくるのです。すごく早口のネパール語で。とりあえず挨拶だけして耳の機能を全開にして聞いていると、どうやら彼女たち二人は福岡に行くということ。ご主人が数年前に日本に来ていてレストランをしているということ。やっと自分たちも日本に行けることになったということ。それで初めて日本に行くということ。
そして、「日本のどこに帰るの?」と聞かれて、「ふ、福岡…。」と答えると、これ以上ない笑顔でぐいと肩を抱かれ、いや首に手を回されいきなりの自撮り☆あわあわしていると引き続き素早い動きでフェイスブックのメッセージで家族の誰かとやりとりしながら写真を送っている。
「日本のディディ(お姉ちゃん)だよ!」
(ちょ、ちょっと、たった今会ったばっかりで名前も知らないんだけど…。)
さらに、電話に切り替え、なぜか見ず知らずのその家族と私が喋っている。いつのまにか。
そして飛行機に乗り込み座席に座るとその女性も私の隣に座って来たので、すごい偶然だなぁ!とびっくりしつつ彼女のチケットを確認すると全然違う席☆なんとか説得して自分の席に座ってもらい、バンコクへ。
飛行機を降りるとちゃんと彼女たちのうちの一人が私を待っていて、ぐいと腕を組まれました。そして、
「私たちの友達がまだ降りて来てないから。待とう。」と。
(私たち…私たち…私の、じゃないんだ…。私まだ会ったばかりなのに。名前も知らないのに…。)
そして無事(?)3人でバンコクの空港で約8時間乗り継ぎのために待つことに…。いつもはこの長い待ち時間をカフェでのんびり過ごします。コーヒーを飲んだりちょっと何か食べたり本を読んだり、しんみりしたり色々書き留めたり..。
でも今回は違っていました。彼女たちがネパールでは珍しく英語がほとんど喋れないということで、(私もですが☆) ネパール語でやりとりすることになり、かといっても私のネパール語はとんでもなく初歩的なのです。なので、彼女たちが何か早口でネパール語で喋りかけてきたときに、ぽかんとしていると、ゆっくりと、大きな声で、顔を近づけて話してくれるのですが、どんなに大きな声でゆっくり話されても知らない単語はわからないのです。
そして約8時間の間にしたことは…「wifi、wifi!」と叫んでいたので、まずwifiをつないであげ、なぜかさっき知り合ったばかりの女性の日本にいるご主人とネパールにいる家族と話をして、そして写真を何度も撮り、さらに携帯の充電が切れたということでバッテリーでチャージをしてあげ、トイレに行きたいということでトイレに連れて行き、トイレの使い方を教え、手の洗い方を教え、千円札1枚しか持っていなかったので、水を買ってあげ、「お腹すいた?」と何度か聞き、毎回「お腹すいていない。」ということでカフェにも行かず、ひたすらベンチに座って、その繰り返しでした。深夜1:00までの8時間☆
そして、やっと、やっと、やっと搭乗ゲートに移動した時に「ヌードルが食べたい。」と…。「もう無理だから。飛行機に乗ったらすぐサンドイッチが出るから。」と、なだめ飛行機に乗り込みました。そして座席に座った途端に気絶するように熟睡☆しました。
そして、この便に乗ると毎回、朝4時にカッと灯りがつき、朝食が運ばれて来ます。朝4時なんてまだ夜だ…。と思いながらとても何も食べることはできず、いつも朝4時から爽やかな笑顔の乗務員さんてすごいなぁと感激しながら、朝4時に起きて朝食をもぐもぐ食べれる人たちもすごいなぁ…。と感心しながら私はそのままいつももう一度眠ります…。
無事福岡空港に着いてからなんと彼女たちとはぐれてしまったのです。福岡空港の国際線はそんなに広くないのですが、はぐれてしまい見つけることができず、荷物を受け取ってからもしばらく待っていましたがどこにも見当たらず、連絡先も名前も知らなかったので、とりあえず彼女たちのご主人の電話番号を聞いていたので電話をして事情を説明し、出口は一つなのですぐわかると思うということで、私はもうヘトヘトだったので帰ることにしました。
帰りの車の中でネパールの友人たちに「無事に日本に着いたよメッセージ」を送り、修一郎に電話をして、あのネパール人の彼女たちは今頃久しぶりにご主人に会えて喜んでるかなぁ、とか、思いながらまた眠り、気がつくと家に到着していました。
あぁ、家に帰って来た。旅に出て一番嬉しいのは家に帰って来たときだなぁ。と思いながら車を降りると修一郎と猫のモモちゃんが家から出て来ました。
「おかえり。」
「ただいま。」
おわり。
これで3週間のネパール滞在日記は終わりです。ブログには書ききれなかったたくさんの出来事、感じたこともまだまだあります。
こんなに素敵な話、こんなに面白いこと、こんな冒険物語(私にとっては)、一人胸の中にしまっておくのはもったいないな、みんなと共有したいなと思いました。そしてもし、やりたいことのために、あとほんのすこしの勇気を必要としている人がいたら、とても怖がりの私の体験がその、あとすこしの勇気のための小さな灯りになるといいなぁと思って綴りました。年齢よりも語学よりも経験よりも必要なもの、それはいつもより少しだけ多めの勇気だったんだなぁということに気がついたのです。
これから先ネパールやネパールの人たちとどうなってゆくかはわからないし、他の国にも絵本と一緒に行くことになるのかもしれないし、行かないかもしれない。それでも今まで通り目の前にやって来たことに全力で取り組もう。そうすることが私を進むべき場所へと運んでくれる。どんなにささやかに見えることでも大冒険に思えることでも、それがきっと全体の中での私の役割なのだから。と思うのです。
さかいみる のネパール滞在日記にお付きあいくださいましてありがとうございました!
みなさまが進むその先にきれいな花が咲き誇る素晴らしい道が続いていますように!
明日からブログでも「メチャくんの今日の言葉」を綴ってゆきます♪